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 金属薄膜の成長の初期の段階で膜がどのように成長するのかということについて、我々は反射高速電子回折(Reflection High Energy Electron Diffracion : RHEED)を用いて研究を行っている。RHEEDでは数10 keVのエネルギーを持つ電子線を結晶表面に小さい角度で入射させ、その散乱波をスクリーンに投影することにより低次の回折パターンが得られる。この回折パターンは非常に明瞭で、これを解析することにより結晶の表面構造の多くの情報を得ることができる。しかし、基板の2次元構造に加えて、一般に金属微粒子の複数の3次元構造が重なるので、回折パターンは複雑なものになる。たとえば、Au微粒子はMgO基板上に繊維構造をとって存在していることが知られており、様々な方位の面からの回折が生じるため回折パターンは非常に複雑なものになる。
そこで、表面に成長した微粒子の構造モデルを仮定し、エバルトの作図という方法により回折パターンを表示するプログラムの開発を行った。これと実験で得られた回折パターンとの比較を行うことにより、実格子の構造決定が容易に行えるようになった。

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